白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第2章 幸せの時間
『…鉄朗?』
「おー、開けて~
手が塞がってんだ…」
『え!?まさかお土産?!
そんな…待つのなんか慣れてるから
そんなの別に…』
ドア越しに聞こえる声に
"可愛い!"と叫びたくなる反面
背中に覆い被さった土産を
申し訳なくも思う
『ケーキ…か、な…?!』
ガチャリと開いたドアと
弾んだ声が
「ただいま…はい、土産…デス」
『…や、やだ!無理!
私、帰る!』
一気に焦って上擦る
「待て!姫凪!
大丈夫だ!グロッキーだから
起きやしねぇって!
俺も飲んじまって送れねぇから
帰るとか言うな!」
『タクシー捕まえて帰る!』
この凄まじいまでの拒絶に
内心ホッとしつつ
帰すのはヤッパリ惜しくて
「とにかく!
ベットに運ぶの手伝ってくれ
ほら、靴脱がせて…重い。」
アレやコレや
用事を口実に引き留める