白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
長くなり過ぎた風呂を
心配したのか
『鉄朗〜?大丈夫??
具合悪い?』
姫凪がバスルームの外から
声をかけて来た
「べ、別に!
ちょっと考え事してただけ!
すぐ上がる!」
揃いのバスローブを纏って戻ると
「…えっと…
何人前デスカ?
そんなに腹減ってた?」
今からパーティでも
始まるんじゃないかってくらい
大量の料理がテーブルに並んでいた
『違う!私はサンドウィッチとかを
頼もうと思って
フロントに掛けたんだけど…』
姫凪の話では
フロントに食事は頼めるか
聞いただけで
通話は切れ
”哀川様より食事が必要な時は
出すように
仰せ使いました”と
この料理達が届いたそうだ。
『多いし、悪いって断ったんだけど
食べ切れなかったら
テイクアウトにするから
どうぞ、って…』
「…あの人はいつも
予想の斜め上に居るな…
食べきれるとは思えねぇけど
断れないなら
ありがたく頂くか」