白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
数時間前とは別人みたいに
穏やかな空気を纏った
哀川さんが立ち上がり
「布施さん、だったかな」
姫凪にゆっくり近付いてきた
思わず握った手
背中に隠そうとした俺を
「大丈夫、負けは潔く認める主義だからね」
クスリと笑っていなし
「すまなかった
辛い想いをさせてしまって
黒尾くんは何も悪くない
全て私が仕組んだ事だった」
姫凪に向かって頭を下げた
『え?あ…はい、あの…』
抱いてたイメージとの
あまりのギャップに戸惑ったのか
『気にしてませんから
頭を上げてください』
思わず口を開く姫凪
気にしてないわけないだろ、と
ツッコミたくなるけど
そんな場合でもないし
グッと堪えてると
「君は見た目と同じく
優しくて可愛らしい娘だね
どうかな?
私には息子も居るんだが…」
哀川さんのトンデモ発言
「ちょ!何言ってんですか!!
姫凪もボーッとしてんな!」