白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
数時間前飛び出した
ホテルに舞い戻り
哀川さんの待つ部屋へ
エレベーターが上がっていく度に
繋いだ手に力がこもる
もちろんあの人が約束を
破るとは思ってないけど
なんていうか…
あの人独特のプレッシャーかな。
「姫凪、ちょっとだけ…」
『え?』
姫凪を端に追い詰め
パクリと唇に喰い付き
「姫凪~…」
次第に深く重ねていく
予想外のキスに
戸惑う姫凪の
唇に舌を滑り込ませると
『だめ…』
そう言いながらも
身体から力が抜けていくのが分かる
「姫凪からもシテ?
エネルギー切れそう…」
顎を跳ね上げて
見つめると
『こんな所で…』
頬を膨らませながらも
潤んだ目で俺を見つめ返して来る
「レアな場面だから
力貰えるんですぅ…」
髪の毛に手櫛を通し
"なァ?"と強請ると
『…もう…』
軽いキスを返してくる
ホント、外さねぇなァ…。