白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
…うわぁ…岩ちゃんに見えてきた
真っ直ぐと言うか
単純と言うか…。
クロちゃんの大声に
ピタリと止まった姫凪ちゃんの声は
『…もっと、言って…』
一気に甘くなる
単純。
ホントお似合いなんだよね、君たちは。
いや、多分…
「嫌になる程言うから
…戻ろう?姫凪」
『うん…!』
素直になれる瞬間を
張った意地の隙間から
ずっと。
「やってらんないよ!
サッサと行って決着付けてくれば?」
「お父さんには私からも
連絡しておくから
…あの、お幸せに」
俺たちの声に
ハッとして
「やばい!時間!!
姫凪、行くぞ!
詳しい話は車でする!
研磨、車まだ貸しててくれ!」
クロちゃんが姫凪ちゃんの
手を引いた
このまま…俺の恋は
掻っ攫われて終わるのか。
そう思って腹に力を入れた瞬間
『待って!鉄朗!』
姫凪ちゃんはクロちゃんの手を離し
『及川さん!』
俺を見つめる