第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ

それを聞いて

「オイカーくん！？
なんで？研磨は？」

慌てて振り返るクロちゃん

「孤爪ちゃんが社員動かせば
俺まで走り回る意味ないし
コッチに来たってわけ。
もしかしたら最後にして
最大のチャンス…ってね？」

俺を見て驚きつつも
加勢してもらえるかもって
ちょっと期待して
ホッとしてる顔がムカついて

「…姫凪ちゃん
そんなに辛いなら
やっぱり俺にしなよ」

これまた自然に
引き寄せた
小さな体

『え、及川さん？！』

全く、なんなんだよ。
諦めたはずなのに
キミのその目を見てると
嫌になる

嫌になるくらい

「おい！何やってんだ！？
離せ！バカ川！！」

「嫌だねバーカバーカ。
クロちゃんが姫凪ちゃんを
もう泣かせないって言うから
身を引いたんじゃん？
でも、姫凪ちゃん
辛そうだしさ
なら、遠慮なく
横恋慕しちゃおうかなって
思うじゃん？」

キミが好きだよ、姫凪ちゃん。