第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ

予定はあるけど

「…スマン明日はチョット
予定入ったから
あ、それでも夕方前には
時間空くから迎えに行く！
朝もそこまで早くないから
晩飯は一緒に食おう
姫凪が寝るまで
一緒に居る…」

言えずに隠す事実と
誤魔化す様に笑う自分が苦しい

『…あ、そうなんだ…
うん…じゃあそうしよう、か。
明日の予定って…』

「え？」

核心を突きそうな質問を
聞こえないフリする

『…ううん！なんでもない！
明日の夜は
外食しようか！
ちょっとオシャレして！』

「お、おう！
良いな、それ！
木葉あたりに美味くて安くて
オシャレな店ないか
リサーチしてみっか」

『うん！楽しみにしてる！』

俺をお前は許してくれるかな…

フワリと漂った不穏な空気から
逃げる様に手を繋いで
姫凪の家まで戻る

飯を食いながらも
テレビを見ながらも
チラチラと時計を気にする姫凪を
抱き締めて

「大丈夫、時間なんか気にすんな
寝るまでずっと側に居るから」

淋しげな瞳にキスを落とす