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【おそ松さん】6人の悪魔と愛され幼なじみ

第14章 表裏一体





バイト終わりました。


家に帰りました。


軽く身支度をして、


家を出ました。


午後3時、現在。


私は、


松野家の前にいます。


…自分から進んでここを訪れるなんて、いつぞやの波動砲計画以来かしら。まぁあの時はあくまで松野一家を家ごと消滅させるためだったから、今回とはわけが違うわね。


そう、彼らに個人的な用があって普通に訪ねに来たのは初めて。


昨日、チョロ松に借りたタオル。私はそれを返しに来たのだ。


ついでにトド松がいたら、スマホを引ったくって既成事実(昨日撮った写真)を削除するつもりよ。今後あれをネタにして良からぬことを企てないとも限らないんだから!


…しかし。


誰も出ないわね。チャイムを押してから1分は経過している気が。ちょっと、ニートなんだから誰かいるでしょ?出なさいよもう誰でもいいから。


もう一度チャイムを鳴らしてみる。おじさんはともかくおばさんも不在なのかしら?まさかあいつらこんな時間まで寝てるんじゃないでしょうね。


イライラが募ってゆく。するとようやく中から誰かの足音が聞こえてきた。


ガラッ


「…あれ?」「え?」


ばっちりと目が合う。あ、この人は。


「カラ松!カラ松よね?」Σ「え!?あ、ああ…」


青いパーカーを着た彼が、驚きの眼差しで私を見る。そしてなぜか不思議そうに首を傾げた。


「…君がチャイムを押していたのか?」


「?そうよ、訪ねてきたんだから当たり前じゃない」


「……その…鍵、開いていたんだが」「え!?」


「近所の人や知り合いはみんな勝手に入ってくるぞ?」「えぇ!?」


し、しし、知らないわよそんなこと!何?律儀にチャイム押してた私がバカだとでも?!いえ、そもそも都会に住んでて無用心すぎない?!


…あ、こいつらに常識は通用しないんだったわ。余計な感情は捨てて、目的だけをさっさと果たしましょう。


「ご、ゴホン!…えーっと、チョロ松はいるかしら?」


「チョロ松に用なのか?」


「え、ええ、まぁ…」


「あいにくとあいつは今ハロワに出掛けて留守なんだが」


ハロワ…就活はしてるのね、一応。


また来るのも面倒だわ、返すだけだしカラ松に預けよう。


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