第12章 にゃんことわんこ
「///!え、えぇっ」
待って待って!いきなり?!そういう展開!?
ゆっくりと近付いてくる彼の瞳に…吸い込まれそうになる。
ふいに右手が伸びてきて、触れられる…と思ったらそれは頬を掠めて後頭部へ。
や、やっぱり、これは…!
「だ、だめっ!」もふっ「……は?」
咄嗟の判断で、私は子猫を顔の前に掲げてガードした。
「……いや、ナニコレ」
「な、ナニコレと言われましても…///だめなものはだめです…!」
「…ああ、そういうこと」
彼が小さく何かを呟いたけれど、間に子猫がいるせいで聞き取れなかった。
「…寝ぐせ。ついてるから直そうと思ったんだけど」
「ねぐ……!?///」
そ、
Σそっちかぁぁぁ!!?
は、恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい私ったら何を早とちりしてうわぁぁ埋まりたい穴に埋まりたい今すぐわぁぁぁぁ!!!///
「……ん。猫どかして、暑い」
あ…な、直してくれた…の、かな?
「あ、あり、ありが、と…///」
「…猫どかせってば」
「いえ、無理です…///」
「はぁ…仕方ないな。みんな、戻っていいよ」「にゃ〜!」Σ「え゙っ!?」
一松が声をかけた瞬間、その場にいた猫たちが一斉に土管の中に入っていく。私の持っていた子猫もするりと手から抜け出して逃げてしまった。
「…」
「あ…っ」
驚いて油断している隙をついて、彼が今度こそ私の頬に手を添える。…まるで慈しむようにそっと指で撫でられた。
「い、一松…」
「ねぇ。…キスされるかと思った?」
「!」
「つくづく分かりやすいよね、あんたって。昨日おそ松兄さんになんかエロいことされたんだろ?じゃなきゃ俺が少し近付いたくらいでこんなに狼狽えねぇもんなぁ?」
…今目の前にいるのは、さっきまでとは違う。
不敵な笑みを浮かべ、私を惑わそうとする彼が、そこにいた。