第37章 十四松とハッピーエンド
「十四松、ちょっとここで待ってて。すぐ戻るから!」「あ…」
ちょうど前方に見えたのは、アイスクリームを販売するワゴンだった。私はそこで2つアイスを買い、十四松の元へ小走りで戻る。
そしてまだ笑顔の戻らない彼に、レモン味のアイスを差し出した。
「はい、これ!まずは食べて元気出そう!ね?」
「アイス…?」
彼はしばらく私とアイスを交互に見比べた後、やがて嬉しそうな笑顔を見せた。
「ありがとう、!あ、あそこのベンチに座ろうよ!」
二人でベンチに座ってアイスを食べながら一息つく。特に大したことはしてないけど、家を出てから歩き通しだったから疲れたな。
「十四松、アイスは…あれ?もう食べちゃったの?」
「うん!おいしかったよ!」「は、早い…」
じーっ…「………」ぺろぺろ
じーっ…「………」ぺろぺろ
じーっ…「……こ、これも食べる?」「いいの?!」「う、うん」「いただきマッスル!」
まだ半分以上残っているバニラアイスを差し出すと、彼は嬉しそうに舐め…いや、まるごと(紙込み)口の中へ放り込んだ。
………
今のは…見なかったことにしておこう。
Σ「は!!ごめん、!全部食べちゃった!!」
「ううん、十四松が元気になってくれたならいいの。…あのね」
また涙目になる彼の肩にそっと手を乗せ、目を閉じて触れるだけのキスをした。
「!///……?」
「私…十四松と一緒なら、どこにいても、何をしてても楽しいのよ。退屈なんてしない。それは、幼なじみでも、恋人でも変わらないわ」
どう言えば彼に伝わるかな、と考えながら、気持ちを正直に打ち明ける。彼は突然のキスにびっくりしたのか、頬を火照らせて固まったままだ。
「関係は変わったけれど、それに合わせなくてもいいの。だから無理しないで?十四松が笑顔でいてくれることが、私の一番の幸せだから」
「…野球…してもいいの?」
「もちろん」
「僕がたくさん笑えば、君は幸せ?」
「うん」
「!!///、ありが盗塁王!大好きでありマッスルハッスルーっ!」ガバッ「きゃっ///」
…ああ、やっぱり
可愛いなぁ…。
《Happy End》