第36章 一松とハッピーエンド
…というわけで、昼から夜までまたしても彼に美味しくいただかれてしまいました。
「うわあああ私ったらなんてふしだらな性活…もとい、生活を…!いえ、全てはあの猫が悪いのよ、朝も昼も夜も関係なく盛るから…っ!」
「……声に出てるんだけど」
Σ「きゃあぁぁぁっ!?」
ちょうどシャワーから上がった彼が、ベッドに座っていた私を不機嫌そうに見下ろす。しまった、心の中で喋っていたつもりがつい駄々もれに!そして驚くほどタイミングが…!
「悪かったね、朝も昼も夜も関係なく盛る、どうしようもない絶倫猫で」
「あ、いや、その…」
「でもさ、あんたにも責任あるから。…勝手にいなくなったこと、忘れたとは言わせないよ」
ドサッ「きゃっ…い、一松…?」
怒っているのかと思ったけれど、予想に反した無表情のまま、彼は私をベッドに押し倒した。
またされるのかと身構えたけれど、彼は何もしてこない。ただ、何を考えているのか分からない瞳で、私をまっすぐ見つめてくる。
やがて、彼が口を開いた。
「…。俺もう、あんたのこと、一生離さないから」
「え…っ」
「絶対。何があっても。もし離れそうになったら、鎖で繋いででも止めてやる。…重いだろ?こんな愛、あんたに受け止められる?」
!こ、これはもしや…!
「一松、あなた…ヤンデレだったの?」「違う。そこまでじゃない」「あ、そう…」「なんで残念そうなの。てか例え話だから。本気にしないでもらえる?」「冗談だってば」
束縛、かぁ。窮屈なのは好きじゃないけど…
「一松なら…許せるかも」
これは冗談じゃなく、本音。一度は離れてしまった分、彼と一緒にいてあげたいって思うし、それに…愛してるから。
「…は。ドMかよ」
「い、一松に言われたくな
「まぁでも。束縛なんて別にしないから関係ないけどね」
「え?じゃあなんで聞いたの?」
「…だって、はとっくに俺の虜だろ?離れるわけないじゃん」
…きっと、この気まぐれな猫に惚れたが最後、私の運命は決まってしまっていたのだろう。
一生彼に翻弄されながら、時には激しく愛されて。…けど、そんな人生も悪くはない…かな。
《Happy End》