第33章 おそ松とハッピーエンド

突然背後から抱き締められ、驚いた拍子に変な声が出た。


「お、おそ松？リビングで飲んでたんじゃないの？」


「そうしようと思ったけど、が寂しそうにしてたから構ってあげようと思って」


「さ、寂しそうって何よ…///」


でも…嬉しい。


「…およ？」


私は彼の腕に自分の手を添え、優しく撫でた。まるで甘えるように。


「どうしたー、。今日はやけに可愛いじゃん」


「…それって、いつもは可愛くないってこと？」


「いやいや、そうとは言ってないだろ。…あー、お前抱き締めてると落ち着くわ〜」


「…もう///」


お互い自我が強いせいか、喧嘩もしょっちゅうだけど、


こういうの、端から見ればただいちゃついてるだけなんだろうなと思うと、こそばゆいような気恥ずかしいような不思議な気持ちになる。


…ん？いや待って。確か今までの経験上、おそ松がくっついてきた後は大抵…


気付いた時にはすでに遅し。案の定全身に違和感が。


「…ちょっと、おそ松」


「んー？」さわさわ


「どこ触ってるのよ」「どこって…胸と尻？」「セクハラオヤジか！」


「い〜じゃん、俺たち付き合ってるんだしィ〜。ってわけで一発ヤっちゃう？」「え？殺っていいの？」ｷﾗｰﾝ+「ちょちょちょ、意味違うからね？！まず包丁下ろした方がいいと思うよ？！」


半ば本気で○そうと思ったんだけど…まぁいいわ。


私はコンロの火を消すと、改めて彼に向き直った。


「…ゆ、夕飯遅くなるけど、それでもいいなら…」


「！へぇ、やっぱいつもより積極的じゃない？どういう風の吹き回し？」


「///べ、別に…たまには素直になってあげようかなって」


「ふぅん？…俺から言わせれば、まだまだ素直じゃないんだけどね」


「え、なに…」


聞き返す前に、唇を塞がれる。啄むような口づけから、舌を絡め合う深い口づけへ…


このままじゃ、食べられてしまう…そう分かっていても、逃れることなんてできない。


甘い甘いキスで力が抜けてしまい、寄りかかる私の耳元で彼が囁く。


「…愛してるよ、。これからもずーっと、俺の傍にいてくれよな」


キスよりも甘い…愛の言葉を―。





《Happy End》