第30章 君に捧ぐ誓い【カラ松】※
2日後。デート当日。
カラ松との待ち合わせ場所である駅前にたどり着く。もう来てるかな。
「」「!」
声をかけられて振り向くと、いつもとは違う雰囲気の彼がそこにいた。
***
〜昨日の回想〜
『ただし、条件があるわ』
『…え?じょ、条件ってなんだ?』
『革ジャン禁止』『え゙』『サングラス禁止』『え゙』『とにかくキラッキラした衣服やクソタン、アクセサリー禁止』『えぇッ!?』『あとイタイ台詞も禁止!』Σ『ノォォォッ!!』
『とにかく、デートではかっこつけるの禁止ね!』『お、俺のパーフェクト・ファッションを全否定…!ああ、あとイタイ台詞ってどういう意味だ?』『そこ一から説明しなきゃだめ?!』
〜回想終了〜
***
とかいうやり取りを経て、現在に至る。
そう、少なくとも目の前にいる彼は…
イタさ0!どこからどう見ても普通の今時の青年!カジュアルすぎずよそいきすぎずのちょうどいいバランス!あああ感動…!!涙が滝のように…!
「!?なぜ急に泣き出すんだ!俺が何かしたか?!」「いえ、カラ松が普通の格好をしてきてくれたことに安心&感動しただけよ…」「つまりいつもは普通じゃなかったのか…」
なんだろう、最高にイタイ格好を一度目撃しているからか、すごくまともに見えるしむしろイケメンにすら思えてくるというミラクル。カラ松、カーディガンとか持ってたのね。てっきり革ジャンオンリーなのかと。キラキラズボンに比べたらジーンズのなんとまともなこと…
「へ、変か?」
「ううん、似合ってるわカラ松。そんな服持ってるなら普段から着ればいいのに」
「いや、昨日買ったばかりなんだ。トド松に無理やり付き合わせてしまったんだがな」「あ、なーる…コーディネートはトド松にしてもらったの?」「マネキンが着ていたから、それを一式購入したんだ!間違いないだろう?」「なんでそこ得意げなの。トド松いらなかったじゃない…」
まぁ、似合ってるしいいか。しかし一式装備って、いくらしたんだろう…条件を出した身としては若干罪悪感がある。革ジャン以外ならそれこそパーカーでもよかったのに、こういうところが真面目というか律儀というか…嬉しいけどね。