第29章 溺れる心【おそ松】※
「そ、そうじゃないけど…」
どんな言葉で伝えれば、理解してもらえるだろう。私はただ、不安なだけ。
恋人同士ではないのに、体だけの関係を続けること…彼は口では愛していると言ってくれるけど、もしかしたらはっきりしない私の態度に傷付いているかもしれないから。
心の言葉が、直接彼に伝わればいいのに…
「そうじゃないけど、なんだよ?」「!あ、その…」
黙っている私を不審に思ったのか、彼が怪訝そうに眉を寄せる。ど、どうしよう、余計に気まずくなっちゃう…!
けれどそんな私の心配とは裏腹に、彼はすぐいつもの笑顔に戻った。
「ま、君の言いたいことはなんとなーく分かるよ。だからさ、もう抱いていい?」
妙に明るい声に拍子抜けする。ノリ軽!
「ちょっと…日本語おかしくない?今の流れで私が素直に頷くとでも「」…!」
優しく抱き寄せられ、二の句が告げなくなる。そして彼が私の耳元で囁くようにこう言った。
「…俺さ、別に君の体目当てとかそんなつもりで誘ってるわけじゃないよ?君の全部が好きだから愛したいだけ。…だからも不安とか遠慮とかいらないもんは捨てて、俺に甘えてくれよ」
「…っ…///」
快感とはまた違う、甘く疼く何かが全身を駆け巡る。
どうやら今の彼の言葉で…私は完全に堕ちてしまったらしい。
返事の代わりに彼の背中に腕を回し、抱き締める。バスローブしか羽織っていないせいか、お互いの熱がまるで素肌同士が触れ合っているかのように直接的に伝わってきて、心臓の鼓動がさらに早くなった。
「…」
「ん…///」
より一層きつく抱き締められ、唇を奪われる。自ら舌を絡めると、瞬く間にそれは蕩けるようなキスへと変わった。
「…っあ……ん…///」
そのままゆっくりとベッドに押し倒されると、バスローブをはだけさせられ、首筋から胸元にかけて素肌が露になる。
彼の指がなぞるように肌を伝い、それだけでゾクゾクと快感が押し寄せてくる。少し性急なその動きは、あっという間に下腹部へと到達し、一番感じるところを撫でられた。
「ひゃん…っ///」