第27章 飴と恋模様【十四松】
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同日夜、松野家。
「あー、やっぱ十四松はいいよなぁ。あいつ絶対酷い目に合わねぇもん。ありゃ一種の才能だね。お兄ちゃん羨ましい」
「……おそ松兄さん、前から思ってたんだけど」
「うん?どしたー、一松」
「余裕だね。彼女取られるかもとか、心配はしてないわけ?」
「ああ、ないない。そりゃ弟はみんなライバルだけど、俺が本気出せばいつでも寝取れるからな!」「さすがクズの頂点、発想が最低だね」
「てか俺のことより自分の心配しろよ、一松ぅ。実はけっこう焦ってんじゃないの〜?」
「あ、焦ってなんかないし…俺はクソ松に勝てればそれで…「もう負けてない?」う、うるさいな」
「まぁまぁ、俺あくまで中立の立場だし?どっちを応援するとかできないけど、個人的な意見を述べるなら〜
カラ松にだけいい思いをさせんのはすげー気に食わない☆」「それな」
「いや、あいつイッタイし一緒にいるだけでアバラ折れるけど、根はいい奴じゃん?そこがまたムカつくんだよねぇ、ギャップ萌えっての?十四松もそうだしさぁ。おんなじ6つ子なのにこの差はなんなんだよーってなるわけ」「分かる」
「だから一松!お前もいつもとは違った感じで彼女に迫ってみたらいーんでない?きゃっ、俺ったら超名案!さすがカリスマレジェンド!」「……は?」
「じゃ、せいぜい頑張ってね〜♪」「い、いや、ちょっとおそ松兄さ………
いつもと違う俺って、なんなんだよ…」
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