第19章 星に願いを
本日7月7日は、世間一般でいう七夕である。
子供の頃は毎年欠かさず、願い事を書いた短冊を笹に吊るしたものだ。中学生になってからかな、そんなことをしなくなったのは。
さすがに大人になってからは意識すらしなくなった。言われて、ああそういえば七夕だっけ、と思い出すくらい。
今年も普通に忘れたまま過ごすものだと思っていたのだけれど…
『!7日って暇?暇だよな?夜さ、うちに来てよー。七夕パーティーしようぜ!』
数日前、おそ松から来た電話。まさかの¨七夕パーティー¨なるものへのお誘い。
びっくりしたけど、面白そうだったから二つ返事で快諾し、
現在に至る。
松野家を訪ねるのも久しぶりね…みんな元気にしてるかしら。
玄関先まで来ると、少し緊張した面持ちでチャイムを押す。パーティーなんて初めてだからなぁ。
チャイムを鳴らしてから数秒後、玄関の戸が開いた。
「ちゃん!来てくれたんだね、待ってたよ!」
中から姿を見せたのは、満面の笑みを浮かべたトド松だった。
「ふふ、こんばんは。お誘いありがとう」
「そんな、お礼なんていいよ!あ、どうぞ上がって上がって」
「お邪魔します」
彼に連れられるまま、まずは居間に通される。そこには6つ子がちゃぶ台を囲んで勢揃いしていた。
「おー、来た来た!久しぶりだなー!」
「フッ…今宵も一段と美しいな、マイハニー」
「ここまで遠かったよね、お疲れ様」
みんなが口々に私を迎え入れる中、一松と十四松が手招きする。
「…ここ、座れば」「僕らの間ー!」
言われた通り彼らの間に座り、改めて室内をぐるりと見回す。パーティーというからには飾り付けとかがしてあると思っていたんだけど…何もないわね。
「あれ?そういえばおじさんとおばさんは?」
「いないよー!えっとね、旅行中!」「は?」
旅行?こんな日に限ってピンポイントで両親旅行中?何やら嫌な予感が…
「だからさー、俺たちしかいないんだよねぇ。でもほら、七夕だし?パーティーやりたいじゃん?そこで!」
「「「「「「お願いします!俺(僕)たちのために手料理振る舞ってください!!」」」」」」
Σそんなことだろうと思ったわぁぁぁ!!!