第17章 悪魔たちの日常
さて、残すはカラ松と一松なんだけど…
昨日の今日で、ぶっちゃけ会わせる顔がないのよね。だから偵察はこれくらいにして、さっさと買い物を済ませて家に帰ろうっと。
…そう、思ったのだが。
これから通る橋の欄干に、誰が見てもアイタタタな格好をした人物が1人佇んでいる。ドクロマークの革ジャンを着てサングラスをかけたその男性はまさに、まさしく、
松野家次男、松野カラ松その人であった。
うーわー、いつぞやのサイコパスファッション!太陽出てないのに相変わらずサングラスかけてるよイッタイねぇ!
ほんとにもったいない、普通の服着て黙ってればカッコいいのに、そのファッションセンスとドヤ顔とナルシーポーズが全てを駄目にしている!昨日の彼と同一人物とは思えなさすぎて涙出てきた!
どうしよう、ここ通らないと回り道になるし…かといって自らバレに行くのも嫌だし…疾風の如く駆け抜けるしかないのかしら?
…しかし、事態はさらに悪化してしまった。
なぜかというと、
「……げ」
「ん?一松じゃないか」
紫のトレーナーを着た一松が橋の向こう側から現れ、カラ松と鉢合わせしてしまったからだ。
あ、あの二人って仲悪くなかったっけ。こ、こんなとこで喧嘩とかしないでよ!っていうかさっきからタイミング良すぎ!
「……ちょっと、いちいち話しかけないでくれる?」
「なぜだ?お前は俺の愛すべきブラザー、ここで出会ったのもデスティニーさ、そうだろう?」
「気持ち悪い言い方すんな死ね今すぐ死ね」
「フッ、全く素直じゃないブラザーだ。せっかくだから共にゴーホームしようじゃないk「殺す!」ドガッ!Σ「わぁぁぁあッ!?」バッシャーーーンッ!!
一松の蹴りによってバランスを崩したカラ松は、欄干から川に真っ逆さまに落下。見事な入水自殺…ならぬ入水他殺…
「クソが、魚のエサにでもなってろ。……あー、すっきりした。猫の世話しに行かないと…」
……………
日常を探るつもりが、とんだ非日常のオンパレードだったわ…知らない方がいいことってあるのね…
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