第17章 悪魔たちの日常
翌朝目が覚めると、すでに一松はいなかった。
『いろいろごめん。それと、泊めてくれてありがと』
恐らく一度部屋に入ってきたのだろう、枕の側にそんなメモを残して。
ありがと、のとこ、字が小さくて掠れてる。照れながら書いたんだろうなぁ。
起きたら彼にどう接すればいいか昨夜悩んでたんだけど、帰ってくれたならそこは一安心ね。…ヤり逃げされただけのような気もするけどこの際許すわ。
「…ん?メモの裏にまだ何か…」
ぺらっ
『昨日は余裕なくて言えなかったけど、のこと、ちゃんと好きだから。俺は』
…俺は、なんだろ。続きそうで続きがない。
これもやたら字が小さいし、恥ずかしがりながら書いたのかしら?顔を真っ赤にして1人黙々とペンを走らせる一松…想像するとなんだかこっちまで照れてくるわね…
まぁでも、どんな形であれ¨好き¨と伝えられるのは嬉しい。
みんな、いつもこれくらい優しければいいのにな。
「さて、お腹減ったしまずは朝食作らないと!…う、腰痛い…」
今日バイト休みでよかった…全身がだるくて辛い。大体初日からハードすぎるのよ、二人連続って。
…受け入れた私も文句は言えないけれど。
とにかく今は気持ちを切り替えよう。過ぎたことを延々と考えていてもキリがないわ。
家事をしたらまた少し休んで、それから買い物ね。こういう時、一人暮らしって大変だと改めて実感する。
ニートのみんなは普段、どんな日常を送っているのかしら。ちょっと気になる…
………
気になるわね。
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