第2章 六つ子は朝が弱い。
こ、コイツらぁぁ…
お「じゃ、そういう事で…」
「「「「「「おやすみなさーい」」」」」」
「…っとに……っ起きやがれこの、ゴミクズ野郎共ォォォ!!!!!」
朝8:00の松野家に私の怒鳴り声が鳴り響いた。
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お「ふぁぁぁああ…あー、まだ耳痛いんだけど彼方ちゃん?」
ボックスカーの後部座席に座ったおそ松が目を擦りながらそう言った。
「文句言わない!!あなた達が揃いも揃って朝起きれないから、私が起こしに行ってるんじゃないですか!!」
運転席の私はバックミラーごしにおそ松を睨みつける。
お「…別にやりたくてやってんじゃねぇし。」ボソッ
ち「テメェが借金なんか作ってくるから、こんな事になってんだろぉがクソ長男!!」
その隣の座席で、チョロ松が参考書から顔を上げて叫んだ。
お「だって、超絶可愛い女の子がかわいい声で『サインしてくれたらいいことしてあげる♡』なんて言ったらサインするっきゃないでしょうがぁ〜」
ち「普通詐欺だろ、なんで詐欺だって気付かないんだこのバカは…」
と「ムダムダチョロ松兄さん。このバカに何言っても何の効果も無いとはずーーーーっと前からわかってることでしょ?」
か「ふっ、俺は…」
い「黙れクソ松、息してんじゃねぇ。」
か「……えっ。」
じ「えー、アイドル楽しいじゃん!!」
ち「そりゃ、楽しいよ?僕は元々好きな世界だし、好きな人にいっぱい会えるし…」
お「あーー麗華だっけ?」
ち「誰だよ!!にゃーちゃん!橋本にゃー!!」
と「まぁ、僕も女の子にモテるからいいけど♪」
じ「僕はねぇ!!こないだ長〇茂雄さんにあった!!!」
と「良かったね、十四松兄さん♡」
い「ちっ、めんどくせぇ。」
か「ふっ、俺は神より与えられたこの才能を活かすことが出来て満足だ。」
後部座席から聞こえてくる楽しげな会話に微笑みながら、私は国道を法定速度ギリギリで走っていた。