第2章 六つ子は朝が弱い。
「ただいまーっと」
六つ子を松野家に送り届けて自宅に戻り、時計を確認すると日付が変わっていた。
カバンを床に放りベッドに倒れ込む。
ふと、カバンに目を向けると勢い余って入っていたスケジュール帳が飛び出て、挟んであった写真が露わになっていた。
笑顔でピースサインをする若かりし頃の自分の隣には担当マネージャー、その隣にショートヘアーの女の子が不機嫌そうに立ちそれに寄り添うようにタレ目の女の子が笑って立っている。
「……。」
『彼方はいいよね、可愛くて頭も良くて運動神経もいし…。
ねぇ、私たちって必要なの?』
『お客さんはね、私達3人じゃなくて彼方ちゃんを見に来てるんだよ?』
『彼方…二人から辞めたいって話をもらってさ、残念だけどここまでだよ。』
『私は何でもする。このグループを続ける為なら何だってしてやる!!』
「……。」
ベッドから降りてスケジュール帳を手に取り写真をしまい直す。
「お風呂はいらなきゃ…。」
あの時とは違うんだ、今はあの子達を何が何でも守るんだ。