第6章 5 Melody.
陸の言うことは間違ってない。
周りからの声はいつか耳に入る。
それに自分の事で騒いでるのに、当の本人が何も知らないだなんておかしな話だ。
だから私は頭をさげる。
いつまでも渋る一織くんに向かって。
「お願い……!」
「何度言えばわかるんですかあなたは……!」
「もうやめとけって」
「兄さん……!兄さんだって見たでしょう?!あの酷い言葉の数々を……!」
「見たよ。でもどうせわかっちまうんなら、1人の時よりオレらがいる今の方がいいと思う」
「っ……」
「の事を思って隠そうとしてんのはわかってるよ。けどここまで騒ぎがデカくなったらもう隠し通すのは無理だろ?もしがショックを受けて、心が壊れそうになったら……オレたちで支えてやりゃいいじゃんか」
三月さんが頼もしい。
流石一織くんのお兄さんだ。ビシッと言ってくれる。
まだ納得いかないような顔をしているけど、今の三月さんの発言のおかげでやっと一織くんが首を縦に振ってくれた。
「決まったな。じゃーミツ、さっきのサイト出してくれ」
「おう……!」
「りん、しんどくなったら、俺の王様プリン一つやんよ」
「あ、ありがとう……」
「よし開いた!、心の準備は出来たか?」
「は、はい……!」
「じゃあ見せるからな。……これだよ」
「……!」
(な……なんなの、これ……)
◆5 Melody.END◆