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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第40章 39 Melody.




あの後天は、私の頭をふわっと撫でて帰っていった。

キスもそうだけど、頭を撫でてくれたのがなんだか無性に嬉しくて……私は朝からニヤけっぱなし。


そのせいで若干マネージャーに引かれてます。



「……いい加減引き締めてくださいよ」

「えっ、またニヤついてました……?!」

「ました。そんなんでちゃんと歌のレッスン出来てますか?出来てないですよね」

(う……)

「何度言っても直らないようなら、あなたを氷の中にぶち込みますよ」

「こ、氷?!」

「はい。冷たいのは引き締めるのに効果的ですから」

(いやいや死んじゃうよ!)



それは嫌だ!という事で、ここから先は真面目にレッスン。
頭に残る天の温もりを一旦忘れ、ひたすら新曲を歌い上げていった。


英語の発音を気にすると音程を外したり、音程を気にすると発音が疎かになったりと……なかなかバランスが取れなくて辛い。



(難しいなっ……)

「さん、あなた意識しすぎなのでは?」

「い、意識?なんのですか……?」

「上手く歌おうとしてるでしょう。それ、一度取っ払って歌ってみて下さい」

「え……でもそうしたら下手くそに……」

「あなたは下手ではありません。かと言って特別上手いわけでもないですけど、力を入れすぎると中の下どころか下の下になりますよ」

(うっ……結構グサッときた……)


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