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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第37章 36 Melody.〜天side〜




そんなこんなで戻ってきたボクのスマホ。
「お前、素直にを返せって言えないのか?」と言う楽を無視して耳にあてると……既に電話は切れていた。

暴れていたせいで指が画面に触れたのか、が切ったのかはわからないが……とにかく繋がっていなかった。


その瞬間真っ黒なオーラが身を包んだのが自分でわかったけど、こんな終わり方は嫌だから……ボクはまたかけ直す。



「ん……天……?大丈夫……?いきなり切れたけど……」

「……まあね」

「って……機嫌悪い……?」

「楽が横取りしたせい」

「もう取らねぇよ」



再び耳にしたの声は眠たげ。
聞いてみると、今日はもうかかってこないと思って寝ようとしていたらしい。

だったら申し訳なかったなと思うけど……ふにゃっとした喋り方が可愛くて、つい話しかけてしまう。



「ねぇ、ライブの席のランク……どこ?」

「んー……1番良いとこ……」

(正面辺りか……)
「そう。もしかしたら目が合うかもね」

「天からは……ふぁぁぁ……わかんないよぉ……」

(……確かに照明のせいで見えにくい)
「クスッ、眠そう」

「うん……」

「ツアーが始まっても、時間が取れた時は連絡してあげる。今度は無視しない事」

「んー……」

「返事」

「……」

(……肝心なところで寝られた)



そういえばの寝顔は久しく見ていない。
小さい頃見た時はそれはもう可愛くて……眺めながら1人で笑ってた記憶がある。


成長した今は……一体どんな顔をして眠るのだろう。

いつか見ていたい。



「寝たのか?」

「うん……寝息が聞こえる」

「っ……またそんな優しい顔しやがって……」

「龍は?」

「潰れに潰れて、あいつも夢ん中だよ」

「……そう」

「お前……相当に惚れてんだな」

「……そうだよ。大好き……」

「っ!!ったく……素直になったらなったで怖えな」

「シッ。が起きる」

「だったら早く切れよ」

「……いや。もう少しだけ……」



もう少しだけ……寝息を聞いていたい……。



◆36 Melody.END◆
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