第37章 36 Melody.〜天side〜
最初はイライラしてた。
折角連絡していたのに、スルーするなんていい度胸だって。
……でもいくら待っても返事がこなかったから、少しずつ心配になっていったんだ。
何があったの。
トラブルに巻き込まれたの。
ボクに不安を感じさせないで。
正直……今日は気が気じゃなかった。
「ほ、本当にごめん……」
「……で、何してたの」
「えっと……か、買い物を……」
「……1人?」
「ううん、陸達と……」
「……〝達〟?」
〝達〟とは誰か。
陸だけならまだ良かったのに、がそんな事言うから気になってしょうがない。
全て白状させてスッキリしたいけど……根掘り葉掘り聞き出すのは流石に気がひける。
「う、うん。一織くんと陸3人でお店を見て回ったの」
「……そう」
(和泉一織か)
「えっと……」
「ボクを無視する程夢中になったその買い物で、キミが手に入れた物は何」
「え……ふ、服っ……」
「見せてよ」
「えっ……!」
「勿論、着てるとこをね」
「えぇっ?!」
……様子がおかしい。
さっきまでしおらしくしてたくせに急に焦りだした。
た、大したものじゃないから……!
そうやって言われると余計見たくなるのに。