第36章 35 Melody.

突然現れた英語講師、ナギさん。


いつの間に録音してたの？！
ていうか説明部分で口説かれてる気分になるんだけど……。
でも私の為にやってくれたんだから、ちゃんと聴かなきゃ！
……けどやっぱり口説かれてるみたいだぁ……っ。


って私の表情は次から次へと変わる。

不思議に思ったマネージャーも一緒になって聴き始めたけど……



「な、なんですかこれは……」



なんて言って呆気にとられてる。



《ここはスローです……愛を囁くように……》

（ス、スローか……）

《OK。では……ワタシに愛、囁いてみてください》

「……え？」

《I love you ナギ……》

（なんか違う方向に……！）

《スリー……トゥー……ワン……》

（カウントされてる……！）

《くおらあああ！！》

《アウチ！！》

（？！何事？！）

《何やってんだよ！！もっと真面目にティーチャーやれよ！！》

《OHミツキ……痛いでーす……》



これまた突然入ってきた三月さんの声。
教える気あんのか！！って、かなり怒っている。

ナギさんは必死に「暴力反対でーす！！」と抵抗しているようだが……

このテープ……聴く意味あるのだろうか。



《だったらちゃんとやれよ！》

《ワタシやってまーすっ……！》

《やってないだろ！！……あっ、ごめんな》

「い、いえっ！！」
（って、つい反応してしまった……）

《もう暫くこいつ借りるから、一旦止めるな》

（じゃあ次からはちゃんとなるのかな……）

《……よし、止めた！こらナギ！まだ話は終わってねぇよ！》

《Noooooooo！！！！》

「えぇっ？！」
（止めてないじゃんっ！！）