第36章 35 Melody.
「……いつまでそうしてるの」
「天こそいつまで頭撫でてるの……?」
「っ……いいでしょ」
終わりを迎えた天にくっつく私と、頭を撫で続けてくれる天。
この時間が結構好きで……実は隠れてニヤついてたりする。
だって天が凄く優しいんだもん。
あったかいし……本当に幸せ。
(また暫く会えないから、今は思いきり甘えよう……)
「んー……」
「……あたる」
「え……?」
「気付いてない?」
「……あっ!」
今日は2人して脱いで……しかもまだ着てないから、天も私も裸のまま。
だから胸が直に彼の肌とくっ付いている。
うわぁぁぁ恥ずかしいっ……。
ていうか言われて気づくなんてっ……。
早く退かなきゃ……!
そう思って慌てて身を離そうとしたんだけど逃がしてくれなくて……私は再び彼の腕の中。
「ちょっ……ダメだよそんなに抱きしめちゃ……っ」
「さっきまで平気で押し当ててた人はどこの誰」
「それは……!ただくっつきたかっただけで……」
「知ってる。いいよ、もっとくっつきなよ」
「い、いや……ちょっと今はっ……」
「……今更照れてどうするの」
(だってぇ……っ)
「キミとは数ヶ月会えなくなる。ボクを感じたいなら今のうち」
「え……?」
(数ヶ月……?)
「聞いてない?TRIGGERのツアー」
(き、聞いてませんっ……)
「再来月から始まる。その間は会えない」