第35章 34 Melody.〜O〜
「天……?」
ここはもう彼の家。
来たのはいいけど……天は難しい顔をしながらベッドに腰をかけているだけで、特に何もせず時間が過ぎていってる。
「わかるでしょう?」なんて……ちょっと期待してしまったのは間違いだったのだろうか。
(返事してくれない……)
「ねぇ天……どうしたの……?」
「……うるさい。集中出来ないでしょう」
「しゅ、集中……?」
(なんの……?)
「っ……言わせないで」
一体どういう事なんだろう。
少し照れてるみたいだし……凄く気になる。
なんなの?隠してないで教えて……?
と、私はつい身を乗り出してしまう。
「キミさ……これ以上近寄ったらどうなるかわかってる?」
「え……?ううん……?」
「……折角抑えてたのに無駄だった」
「無駄……?わっ……!」
「悪いのはキミだよ」
抑えてた?何を……?
無駄だった?何が……?
って、疑問だらけになってた私を……天は自分の方へと引き寄せた。
一瞬で彼の温もりに包まれ、ドキッとした私の脳内はフリーズ状態。
代わりに瞬きが多くなる。
「……ねぇ」
(?!)
「はっ、はい!」
「……何?今の返事」
「へっ?!あっ、えっと……」
「……台無し」
(な、何が?!)
「キミのせいで……」
〝……甘え損ねた〟