第34章 33 Melody.〜天side〜
「っ……」
達が動き出した頃、ボクは自室の壁に拳を叩きつけて……唇を噛み締めていた。
彼女への想いが、今ではかなりの苦痛なんだ。
「っ……」
(会いたい……っ)
ここ数日ひたすら抑えてきたけど逆効果。
日を追うごとに大きく成長してしまって……もうボク1人では手に負えない。
会いたくて会いたくてたまらなくて……でも許されなくて……。
付き合ってもなお訪れる苦しみに心が押し潰されそうだ。
(着信音……)
けどボクもと同じ。
いっそ別れた方がお互いの為だって……考えたくもない事を考えた日があったから。
深く関われないなら恋人でいても仕方がない。
ボクが相手じゃは幸せになれない。
彼女も似たような事を前考えたって言っていたけど……どうしてそんな考えが出来るのかやっとわかった。
(千さん……?)
「はい、九条です」
「天くん!今すぐ事務所に行きなさい!」
(……は?)
「何かあったんですか?」
「何かってもんじゃないよ!!とにかく早く来て!!」
(……次は百さん)
「……わかりました」
「オッケー!ありがとう!待ってる!」
なんか腑に落ちないこの電話。
詳しい話をするわけでもなく、ただ一方的に来いだなんてどうかしてる。
……とはいえRe:valeに言われたら断れない。
怪しさ満点だけど……とりあえず行ってみるしかなさそうだ。