第31章 30 Melody.
この日から私のスキンケアはより徹底された。
寮でパックしてると「出たー!!!!」なんて、三月さん達に幽霊扱いされたり
少しでも小顔になるようにサポーターで固定してると「出たー!!!!」なんて、また三月さん達に幽霊扱いされたり。
なんでいつもびっくりされるんだろうって不思議だったけど、今回のCMを最高のものにしたい一心で……私は出来るだけの努力をした。
「……で、今はマッサージ?」
「ん……」
「やりすぎも良くない。ほどほどにね」
「うん……」
そして打ち合わせがあった日の夜。
天とは電話でも色々話した。
CMのイメージはセクシー。
だからそれなりの表情をしなくちゃならないし、天とも近寄らなければならない。
私には天ほどのエロさはないから、どうやったら大人っぽく演じられるかとか……沢山アドバイスをもらった。
試しに鏡に向かって顔を作ってみたけど……良いのか悪いのか自分じゃわからない。
「ねぇ天……こんなのでいいのかな」
「……電話じゃ見れない」
「あ……そ、そうだよね」
「ビデオ通話で見せて。評価してあげる」
(ビデオ?!)
「えっ!い、いいよ!」
「よくない。早く切り替えて」
「えぇっ……!」
(無理ー!)