第30章 29 Melody.〜天side〜
「ねぇ天、私の家で身長測ってたの覚えてる?」
「柱に印つけるやつでしょう」
「そうそう!一時期私が勝ってたよね!」
ランプを少し明るくして、並んでベットに横になりながら昔話をするボクと。
しょうもない話ばかりだけど……が楽しそうにしてるから付き合ってあげてる。
本当はもう少し甘い時間を過ごしたいけど。
「今はボクの方が高いよ」
「そ、そりゃ男の子だもん」
「なら和泉三月はどうなるの」
「ちょっ……!た、確かに小ちゃくて可愛いなとは思った事あるけど……!えーっと……!」
(あるんだ)
「クスッ……」
もう事は済んでる。
と重なり合えてとても幸せだった。
切な気にボクを見つめる瞳。
聴くだけで疼いた甘い声。
お互いの吐息を合わせて、お互いの名前を呼び合いながら迎えた終わりは……この先ずっと忘れない。
(……くっつきたくなった)
「天……?わっ……!」
(あったかい……)
素直になればいいのに……スリスリ甘えるようなやり方はボクには出来ない。
だから彼女を抱き寄せる事で、なるべく甘えてます感を抑えた。
まだ素肌を晒したままのはとても柔らかい。
「……震えなくなったね」
「あ……」
「ボクだからでしょう?」
「……うん、天なら怖くない……寧ろ……」
「何?」
「っ……ずっとこうしてたい……」