第3章 2 Melody.〜天side〜
「ねぇユキ、これどう思う?」
「いいのか?他の人とのやり取りを僕に見せて」
「ユキにも関係ある事なんだよ!!ほら!!」
「わかったからスマホを押し付けない」
本番前。
楽屋で待機をしていた百は、追加で送られてきた陸からのメッセージを千に見せた。
【無理なお願いなのはわかってます。でもこれしか方法が浮かばなくて……。あっ、売名行為じゃないです!オレが勝手にしている事だから……】
【今日はこれからTRIGGERと番組の収録だと聞きました。その何処かでさっき話した女の子の名前を出してほしいんです】
【名前は。1回だけでもいいから……出してもらえませんか?】
3件のメッセージを全て読み終わった千は「何これ」と不思議そうな顔をする。
百も同じように首をかしげるけど、可愛い後輩の頼みは聞かなきゃ!と速攻で気持ちを切り替えた。
「まあ名前くらいならな」
「でも言ったらどうなるのかな?ユキわかる?」
「売名じゃないとなると……TRIGGERに関係してるのかもね」
「TRIGGERに?いやいや、その子今日来たばっかの新人ちゃんだよ?!」
「過去に何かあった可能性があるだろ」
「そっか!!じゃあ楽辺りなんか反応しちゃうかも!!」
「誰かはわからない」
「ねぇユキ!本番まで後どれくらい?!」
「30分くらいかな」
「じゃあまだ平気だね!!オレちょっと陸に詳しく聞いてくる!!」
「ここで電話すればいいだろ?」
「あ、ははは!それもそうだよね。んじゃかけるよ!!ポチッ!!」
「全く……元気だな、モモは」