• テキストサイズ

【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第29章 28 Melody.〜L〜




(……狭い)
「力抜いてって言ったでしょう」

「うっ……うんっ……!」

「このまま暫くやるよ、いい……?」

「う、んっ……!」



ボクの指は男の割りに細い方だと思う。
それを1本しか使ってないのに、狭いせいでなかなか動かせない。


力加減には気をつけないといけないけど、この過程はとても大事だから……の為にも優しくゆっくり緊張を解いてあげなくちゃね。



「んぅっ……!」

(……また力入れてる)
「ねぇ……ボクのどこが好き?」

「えぇっ……?」

(気を紛らわしてあげる)
「教えて……」



いくら力を抜けと言っても、身体は直ぐに言う事を聞かなくなる。
辛そうに顔を歪める姿は出来れば見たくない。


初めてじゃ仕方のない事だってわかってるけど……。



「そんなっ……いきなり聞かれてもっ……」

「ただなんとなくじゃないでしょう?」

「あっ……当たり前だよっ……!」

「じゃあ何……?」

「っ……優しいとこっ……」

「次……」

「可愛いけどかっこいいとこっ……」

(……可愛い?)
「次……」

「っ……もうっ……全部だよ……っ」



〝私は天の全てが好きだよっ……〟

〝笑うとこも怒るとこも……ちょっと慌てるとこもふて腐れるとこも……
頭の回転が速いとこもマメなとこも……器用なとこも弟思いなとこも全部〟

〝そんなあなたを見ているうちに私は惹かれていったんだ〟


〝……今じゃこんなに想いが膨れ上がってる〟
〝抑えきれないくらい膨れ上がってる〟


〝ねぇ天……好きにさせてくれてありがとう〟
〝私の事、好きになってくれてありがとう〟


〝天といられたら私……この先ずっと幸せだよ〟



と……は恥じらいもなく言いきった。
ボクから目を離さずはっきりと。


自分で聞き出したくせに……聞いたら聞いたで照れくさくなってたまらない。



(っ……嬉しい……)


/ 395ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp