第29章 28 Melody.〜L〜
(うぅっ……)
結局天にはそれ以上脱がなくていいと伝えた。
だから今、シャツのボタンを半分まで開けた状態になってる。
最初は自分だけ裸なのが嫌で「ずるい」なんて言ったけど……
これはこれで耐えられそうにない。
「後で脱いでもらえばよかったなんて言っても聞かないよ」
「っ……」
(あぁもう全然見れない……っ)
「返事は……?」
「んぁっ……!」
TRIGGERのポスターやMVで観るのとは訳が違う。
透き通る肌。
この状況だからこそ感じる色気。
そんなの晒しながら耳元で囁くなんて……そりゃ自然と反応してしまう。
(何っ……今の声……っ)
「へぇ……。ねぇ、これはどう……?」
「ひゃ、ぁ……っ」
(また噛まれっ……)
「……次」
「んぁっ……んっ、はぁ……っ」
何かを確かめるように舌を這わす天。
時々クスッと笑う声がする。
でも私はそれどころじゃなかった。
感じる……の意味がよくわかってないから、代わりにくすぐったいって表現をしてしまうけど……
胸でも下でも何でもない耳が、こんなにもくすぐったく感じる場所だなんて思ってなかった。
「は、ぁ……んぁ……っ」
(なんでこんな声が出るのっ……)