第27章 26 Melody.〜天side〜
どんな事を言われてもいい。
ボクはただの心内を知りたかった。
何を考え
何を感じ
そしてどう結論付けたのかって。
「ショック……だった……」
と考えているうちに、が静かに口を開いてくれた。
それから少しずつ、言葉を選ぶように心中を明かし始めた彼女はこう言う。
2人にだけは離れてほしくなかった。
いつまでも仲の良い兄弟でいてほしかった。
天は同じ道を選ぶかもしれないけど、私がその場にいたら……もしかしたら状況が変わってたかもしれない。
そう考えると凄く悔しいし、自分に苛立つ。
2人が辛い時に側にいなかった事。
自分だけ遠くに逃げていた事。
謝っても謝りきれなくて……最近は陸の顔もまともに見れていなかった。
でも2人が双子の兄弟って事に変わりはないと私は思う。
あなたを「天にぃ」って呼んで今でも慕ってる陸。
あの子を見る時、いつも温かい眼差しをしている天。
苗字が変わっても、住む場所が変わっても、進む道が違っても……2人はいつまでも兄弟なんだ。
天……本当は出て行く時心苦しかったんだよね……?
陸を置いていくの辛かったんだよね……?
だからあの時「それは違––––」って苦しそうに言いかけたんだよね……?
……正直言えば、聞いた日の夜私は自分を責めて……天の側にいたらダメだって考えてた。
私は無神経だし迷惑者だから、逆に辛く苦しい思いをさせるだけだって。
そんな気持ちのままで天とは関われないと思った。
だからラビチャも、天の画面は開かないようにしてた。
でもあなたはとても温かい人だって私は知ってる。
誰よりも優しいお兄ちゃんだって知ってる。
それに……私を心から想ってくれてるのも知ってる。
だからね、どう悩んだって結局はこう思うの。
天、あなたが大好きって。
離れたくないって。
陸の気持ちもわかるから複雑だけど……私は九条でも構わないよ。
だって……
「天は天だもん……」
◆26 Melody.END◆