第25章 24 Melody.〜天side〜
7月9日––––。
ボクと陸がこの世に産まれてきた日。
その日から13年間、ボクは七瀬天であり陸の兄だった。
けど今は違う。
昔は仲良くお祝いをしていたけど……今となってはもう叶わない。
【陸、誕生日おめでとう】
【、今日1日陸を幸せにしてあげて】
そして今日がその誕生日。
陸とにラビチャしたボクは、その後直ぐにスマホの電源を落とした。
1日スケジュールが詰まっているから……お祝いのやり取りをしている暇なんてないんだ。
「おい天、行くぞ」
「……わかった」
ラジオ出演、雑誌の取材に撮影。
それが終わったら、3人それぞれドラマの撮影へと向かう。
帰宅は深夜になりそうだなと思うが……別に寂しくはない。
だって……
「天!誕生日おめでとう!はいこれ、俺からのプレゼント」
「……何?その包み」
「まあ開けてみて」
(……シーサー?)
「……何これ」
「シーサーなんだ!天のために1番顔がいいやつを選んだよ」
(……顔とかどうでもいいし、あまり嬉しくない)
「……ありがと」
龍は毎年プレゼントくれるし……
「……ほらよ」
(……物を投げて渡すなんてね)
「キミは渡し方も知らないの?」
「うるせぇ。黙って開けろよ」
(これは……)
「有名ホテルの食事券……」
「あいつと行けよ。まあ今日ってわけにはいかねぇだろうけど、それ期限ねぇから」
「……ありがと」
楽もなんだかんだ祝ってくれるから。