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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第3章 2 Melody.〜天side〜




〝天にぃ!ウチに姉が来たよ!〟



陸からきたラビチャを眺めながら眉間にシワを寄せるボク。


が来たなんてそんなの嘘に決まってるでしょう。
会えなくなってからもう何年も経っているのに、今更近寄ってくる筈がない。


しかも小鳥遊事務所に来た?
という事はそこと契約してアイドルに?


だとしたら余計信じられない。



「なに難しい顔してんだよ」

「……別に」

「もしかして車に酔った?」

「違う」



今は移動の車の中。酔ったことなんて一度もない。
なのに忘れたのか、素で尋ねてきた龍に少しイラっとする。


顔を顰めているのは車酔いのせいじゃない。
今見てる陸からのラビチャに苛立ってるんだ。


……なんて言うとしつこく聞いてきそうだから、ボクは1人でモヤモヤを抱えている。



(……あれから返信がない)

「実は酔ったんだろ。さっきからずっとスマホばっか見てっからだよ」

「だから違うって言ったでしょう」

「じゃあなんだよ」

「うるさい黙って」

「アァ?」



どういうつもりで陸はこんな嘘を送りつけてきたのだろう。

ボクがに会いたがっていたから?
の事ずっと心配していたから?


……陸は優しくて良い子。
なのにどうしてこんな辛い嘘を言ってきたのかサッパリだ。



(陸……後で説教だよ)


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