第24章 23 Melody.
リラックス––––。
正直そんなの無理だと思った。
撮影ではどうしてもナギさんと近寄らなければならない。
でも「仕事なんだ!」って自分に言い聞かせて、本当にナギさんをここなだと思いながらやったら……結構自然に振る舞うことが出来た。
しかし……
「お疲れ!いい絵が撮れたよ!ありがとうさん!」
「い、いえ!こちらこそ貴重な経験ありがとうございました!……あっ!!」
(しまったマネージャー……!)
私は誰にも相談せずにモデルをやってしまったのだ。
こういう事は一度マネージャーや事務所に話を通すもの。
なのに許可を得ずに臨んでしまった。
……冷や汗もんである。
「、どうしました?」
「あ……い、いえ!なんでもないです!」
(大変っ……連絡しなきゃ!)
事後では遅いけど黙っておくわけにはいかない。
もしダメだと言われたら、今この場で監督やナギさん、そしてスタッフさん達に謝らなければ。
何やってるんだ私はと、自分の軽い行動に対して怒りを覚える。
「すみません、ちょっと電話します……!」
(絶対マネージャー怒るよねっ……)
「OH、九条氏ですか?」
「ち、違います!マネージャーです!」
「マネージャー……?」
「はい!すみませんが失礼します……!」