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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第24章 23 Melody.




「お疲れ様でした大和さんっ!!」



そして撮影終了後。
スタッフが片付けをし始めても、興奮がなかなかおさまらない私は勢いよく挨拶をした。


真剣な場の空気。
生の演技。
監督の怒号。


どれもこれも私にとったら新鮮で興味深いものだったし、あの大和さんでさえ真剣に挑んでいた。

ドラマの世界がとても気になる。



「どーも。それで、なんか収穫できたか?」

「はい!!もう全てが魅力的で!やってみたいです!」

「そう簡単に言うなって。甘くないよードラマは」

「そうなんですか?」

「そりゃそうだろ。セリフ頭に叩き込んで、その場その場に合った感情を引きずり出さなきゃなんねーんだし。正直やってらんねーわ」



とか言う大和さんのバッグから覗いている台本。
それはかなり読み込まれているようで、紙が擦れている。


なんだかんだ言いつつも、この人はちゃんとやっているのだ。



(流石だなぁ……)
「でもいつかは私も出演してみたいです!通行人からでも!」

「いや、そこはお兄さんの代役で」

「えっ?!」



大きなコネ持ってるからそれくらい簡単よ?と、半分本気に聞こえるセリフを言う大和さん。


焦って戸惑う事しか出来ない私を見て笑う彼は、逆に余裕そう。



(コネ……っ)

「冗談だって。まあそんなに興味があるなら、ここにいるスタッフさんにでも挨拶しとけよ」

(そ、それはそうかも……)
「は……はい、そうさせていただきます!」


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