第21章 20 Melody.〜天side〜
告白から数日後。
あれ以来仕事でも顔を合わせていないボク達だけど、時間があれば連絡を取っていたから関係は良好だと思う。
「楽、天!早く行こう!」
「龍はどんだけあいつのファンなんだよ」
「っ……ダメかな?」
「ダメとは言ってねぇだろ。なっ?」
「……どうしてボクを見るの」
今日はのデビューシングル発売日。
発売を記念して単独ライブをすると聞いたボク達は、これから様子を見に会場へ向かうところだ。
遠くからとはいえ、顔を見られるのは嬉しい。
「一応許可取んねぇとうるさそうだからな」
「誰かを好きになるのに理由も許可もいらないでしょう」
「い、いや俺は純粋にアイドルとしてのちゃんが良いなと思うだけで……天みたいに特別な感情は……」
「あったら困るよな?」
(一々いじらないで)
「……ほら、早く行くよ」
「困るんだな」
「ま、待ってくれ天!俺は本当に……!」
「いいから早くして。遅れるでしょう」
2人はもうボク達の関係を知っている。
サマフェスが終わった翌日にしつこく聞いてきたから。
どうだった?
ちゃんと言ったか?
場所は?
あいつの反応は?
ってあまりにも聞いてきたものだから、簡単に「さんに余計なちょっかいは出さない事」とだけ答えておいた。
「なあ楽……俺怒らせちゃったかな……」
「いや、ただ単に早く会いたいだけだろ」