第18章 17 Melody.
「「ありがとうございました!!」」
サマフェスーー。
トラブルがあったものの、最後は全員笑顔で締めくくる事ができた。
興奮冷め止まないのか……自分達が裏に下がっても、ファンはずっと拍手を送ってくれる。
「ありがとう」と「忘れないよ」という言葉と共に。
「お疲れ様でしたさんっ……」
(マネージャーが泣きそうになってる……)
「いえ……色々とご迷惑をおかけしてすみませんでした……」
「本当ですよっ……おれをハラハラさせてっ……あなたって人は……っ」
下がって真っ先に声をかけてくれたマネージャー。
目元を手で隠して涙を見られないようにしている。
この人にはかなり心配をかけてしまったから……泣いている姿を見ていると更に申し訳なく感じてしまう。
(けどマネージャーが掛け合ってくれなかったら……私はあのタイミングで歌えなかった……)
「マネージャー……」
「なんですっ……」
「あなたがいてくれて本当によかったです。ありがとう」
「っ……」
「これからもよろしくお願いします」
悪い気持ちもある。
でも感謝の気持ちもある。
それを素直に伝えると……彼は私に背を向けてしまった。
よく見ると肩が小刻みに揺れている。
「マネージャー……?」
「っ……別に嬉しくて泣いてるわけじゃないので見ないでくださいっ……!」
(嬉しいんだ……)
「ふふっ」
「笑わないでくださいっ……!」
「ふふっ、ごめんなさい」
(本当にありがとうございます、マネージャー……)