第10章 9 Melody.
「……お、おはようございます……」
「おはようございますさん……って、どうしたんですかその顔は!」
「すみませんマネージャー……まじこなのせいです……」
翌朝。
あれからずっとまじこなをエンドレスされ……バッチリ睡眠不足な私。
夜中の2時くらいに三月さんが助けに来てくれたけど、それでも全然寝足りなかった。
午後から収録なのに。
「今日は大事な日だとわかってたはずでしょう!!」
「は、はい……でも大丈夫です……!やり切ってみせます!」
「気合いは十分でも、目の下にクマを作られちゃたまりませんよ!!」
ほら!と、マネージャーは私の前に鏡を突き出してきた。
嫌でも目に入った自分の顔からは思いっきり疲れが出ている。
これでは仕事に向かえない。
どうしよう。
「メイクでなんとかするしかありませんね……とりあえずあなたはギリギリまで休んでいてください!」
(え……それは困る)
「いえ、ギリギリまで曲の調整をします!」
「ダメです!出来るだけ疲れを取ってから収録に挑んで……あ!ちょっと!どこに行くんですか!」
「レッスン室でーす!!」
「なっ!全く……次から体調管理について厳しくしないと……。そうだ、何か癒しグッズでも用意するか……。初っ端からコケさせるなんて事、絶対にさせたくない」