• テキストサイズ

【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第9章 8 Melody.〜天side〜




「ん……」



打つ手なし。
諦めたボクは、暫くあの白い世界で自分が起きるのを待った。


するとどこからかスマホの着信音が聞こえて……そのおかげでやっと現実世界へと帰還。

仕事の話かもしれないと考えると、いくら眠ってても強制的に起きるのがボクだ。



「何?」

「おい、良い知らせだ」

(……悪い知らせの間違いじゃないの)



相手は楽。
何かを見ながらかけているのか、カサカサと紙が擦れるような音がする。


……時間を見ればもう深夜。
こんな夜更けにかけてくるなんてどうかしてる。

聞く価値のある内容じゃないと怒るよ。



「明日の昼間、時間に少し余裕があった」

「……は?」
(説教確定)

「だから、少しはフリーになれる時間があるって言ってんだよ」

「意味がわからない。ハッキリ言って」

「ったく……見に行くぞ、収録」



つまり楽は……が出る番組の収録を見に行くと言っている。
こっちの気も知らないで堂々と。


今行ったって逃げられるのが落ちだ。



「……行かない」

「んでだよ。会いたくねぇのか?」

「そんなとこ」
(……嘘つき)

「見てやれよ。幼馴染だろ?」

「……テレビでみればいいでしょう」

「ったくお前は……ならいい、この話は終わりだ」

「そう」

「ああ。じゃあな」

「……」
(……切れた)



なんか納得いかない。
どうしてこんなにアッサリと電話を切ったのだろう。
もっとしつこく言ってくると思っていたのに。


きっと何かを企んでるんだろうけど……ボクには通じないよ。
警戒しておくから。



(さあ……どう出てくる?八乙女ジュニア)



◆8 Melody.END◆
/ 395ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp