第1章 オトモダチ
「へぇ、こんな道あったんだな」
「ええ
まぁ人通りが少ないし、あるのは家だけだもの、この辺
知らないのも仕方ないわ」
テコテコと二人、暗い道を歩く。
土方は二階堂を見てホッとした。
・・・ん?!何で俺が、何にホッとするんだ?!
あれか、銀八の事か、そーかそーか、いや待て。それはそれで問題じゃね俺‼
「どうしたのよ」
「え?」
「何か百面相してるわよ、気持ち悪い」
「・・・悪かったな」
「別にいいけど、はたから見るとただの変態よ」
「そこまで言うか」
「まぁ顔が良いから多少は大目に見てくれるわよ」
「?!」
「何」
「いや・・・何でもねぇ」
「そう
あ、ここよ、銀八の家」
そこは、意外と立派な一軒家だった。
「ただいま」
ガチャリと鍵を開けながら言う二階堂。
「お邪魔します」
続けて言うと。
「真侑ー、イチゴ牛乳買ってきてくれた?」
「無いわよそんなもの」
「えー、無いのかよ」
「自分で買いに行きなさいよ」
「めんどくせぇ」
家だとこんな感じなのか・・・。
ってか、二階堂、学校と全然ちげーし。
これじゃ銀八も気になるか。
「よぉ銀八
邪魔するぞ」
「あれ、多串君?!」
「誰が多串君だコラ」
「あら、多串君て土方だったの」
「おいおい真侑、クラスメートの名前くれぇ覚えとけや
土方じゃねぇよ、コイツぁ」
「そうだったの
ごめんなさいね、多串」
「いや、土方だから
多串じゃないから」
どっちか分からないという顔をする二階堂。
意外とコイツは阿呆かも知れねぇ。
「今失礼な事考えたでしょ」
「・・・」
コイツ、エスパーか。