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脳漿奇譚  【魔人探偵脳噛ネウロ】

第2章 【孵】-へんたい-


何だかんだで家に帰着いた頃にはすっかり日付が変わってしまっていた

「あー・・・なんか疲れた・・もう寝よう」


寝巻に着替え、布団に潜り込む。


「はー・・いろんなことが起こりすぎて頭パンクしそう」


寝返りをうち、仰向けになった所で目を開ける


「いっそ物理的にもパンクさせてやろうか」

天井に背中を預け、私を見下ろす魔人。


「わー!!!何勝手に入ってきてるの!出てってよ!」

「・・・ダメか?」

「いやぁ、普通ダメでしょ」

「貴様ら人間の常識なぞ知らん」

「これじゃ私が寝られないよ!」

「フン、知るか。我が輩は貴様から漂うその匂いを堪能しながら眠りたいのだ」

「いや、だからってこれはないでしょー」

「ム、では貴様ら人間式のではどうだ?」

重力に倣いそのまま落下してくるネウロ

「うげっっ!」

もちろん私に体当たり。痛くて重い

そのまま当然のように布団に入り込んで来る

「これではどうだ?人間式の【添い寝】だ。」

「えッ・・そういうのは普通・・・」

「では魔界式にするか?尤も魔界の添い寝と言えば、どちらから再起不能になるまで一億度の体温を擦り付け合うのだが」


「・・・人間式でお願いします」

「ウム」


「変な事しないでよ?」


「失礼な。我が輩がミジンコに発情するとでも?」


そう言いながら悠々と睡眠をとり始めるネウロ

横から恐る恐る観察してみる。



整った顔。
長身細身。




もしこれが魔人なんかじゃなかったら。

心臓が高鳴る



突然ネウロの瞳が開く

「我が輩、ミジンコに発情されても嬉しくはないからな」
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