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短編集【庭球】

第7章 就活ブルー〔跡部景吾〕*


「気に入ってんなら、これつけたままヤるか?」

形のいい胸を覆っていたベージュの布を人差し指でずらすと、淡く色づいた花びらのような頂が現れる。
そこは触られるのを待ちきれないとでも言うように、ぴんと立ち上がって形を主張していて。
爪で軽く弾くと、渚の身体が小さく跳ねた。
口に含んで転がすと小さな声が漏れてくる。

「声、我慢すんなよ」
「ふっ、ん…そこ、で喋っちゃ、ダメぇ」
「あん? こんなに固くなってんだから舐めてやらないとかわいそうだろうが」
「んっ、ひぁ…」

俺も余裕はないが、久しぶりだから存分に愛してやりたくて。
髪から脚の先まで全身に口づける。
身体をよじって悦ぶ姿が愛おしくて、もっと啼かせたくなる。

申し訳程度に抵抗していた両腕が、代わりに俺の頭を掻き抱く。
両膝を擦り合わせる仕草にも、俺は口角が上がるのを止められなかった。
もっと、なんて言葉よりもずっと雄弁だったから。

渚の身体がじんわりと汗ばんできたのを感じて、脚を少し開かせる。
内腿は愛液で濡れて、妖しく光っていた。

「これ、汗じゃねえよなぁ」
「や…ン、恥ずかし…」
「今日は一段とすげえんじゃねえの?」

渚がババくせえと嘆いていた下着はすっかり色が変わっていて。
じっとりと重くなったそれを取り去ると、濡れそぼった茂みに指を這わせた。

「あぁっ、ん…!」

つぷん、と音を立てて、人差し指が呑み込まれる。
内壁を擦り上げると、渚は高い声を上げながらふるふると首を横に振った。
有り体に言えば気持ちよくてヤバい、ってなところなんだろうが、首を振ったのが少し癇に障って。

「ンだよ。足りねえのかよ、わがままな奴」
「あっ、あぁっ…」

指を一気に二本増やして、渚のイイところを執拗に責め立てる。
甲高い嬌声が少し掠れて、中がぎゅっと狭くなったところで、指を抜いた。
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