第1章 春
「おー!よく分かったな~」
「大体あなたが気持ち悪く甘えた声を出すときは、未解決事件がらみですからね。」
ますます不機嫌な声で言う。なかなかの毒舌家のようだ。
「そんなこというなって。いいじゃねぇか。たまには協力してくれたってさ。」
「・・・・たまに?おかしいですね、私はこの間、つまりは三週間前にあなたから同じような電話を貰った気がするのですが?」
「そっ、そうだっけなー」
「・・・・・・・・・・」
「待て!!切るな!!わっ、分かったから!!あれだ!!協力してくれたら、アイス奢ってやるから!!」
「いりません。アイスなら、今食べていますので。」
「じゃっ、じゃあ、おもちゃ買ってやるよ」
「どこの小学生ですか」
更に不機嫌な声になる伊月。
「私は貴方方に協力する気は、全くありませんので。では。」
伊月は電話を切ると、すぐに電源を切った。