第3章 事件解決後のドタ☆バタ
「はい、足気をつけてくださいね。」
伊月は後藤に手を差し出しながら言った。
「・・・・おう」
後藤は伊月の手を取りながらゆっくりと電車を降りていく。
「大変ですね?手伝いますよ。」
二十代半ばの男性がにこやかに伊月に話しかける。
後(げっ。あいつ、さっきの・・・・!!)
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます。」
伊月は気付かず、その男性に向かって笑いかける。
「さて、行きますよ。後藤さん」
そうして、俺たちはタクシーを拾って乗り込んだ。
後(ふぅ。なんか疲れ・・・)
ほっと胸をなで下ろそうとした後藤が目にしたのは、同じく後ろでタクシーを拾っているあの男性の姿だった。