第1章 …噂話し
あれ以来、仲の良かった友達には距離を置かれあたしには霊感があるだとか悪口を言うと呪われるだとか、、あっという間にウワサは広まりあたしは一人孤立状態
自分でもよくわからないのに、変なウワサだけが大袈裟に広がり中学を卒業するまでそれは続いた
もう人と深く関わるのはよそう
そう決めたあたしは高校では一匹オオカミのように付かず離れず一定の距離で人と接した
そのせいかあたしはみんなから無口でつまらないとか、冷たい人だと勘違いされてしまいまた一人ぼっち
本当はあたしだってみんなの輪に入りたかったけど能力がバレるくらいならこっちの方がいい
神隠しのウワサだってクラスの女の子達がキャーキャー盛り上がっているのを盗み聞きして知った
でも混ざりたい気持ちを隠して
「ねぇねぇちゃんも神隠しのウワサ信じる?」
「んー。あたしそういうのあんまり興味無いんだ。」
そう答えるのがやっとだった
「…………………」
トンネルをジッと見つめる
この先に何があるのか
今のところトンネルへの嫌な感じはしない
少しだけ近付いてみた
ひんやりと冷たい空気が身体に触れる
もしかしたら、ここに入れば自分の不思議な力の理由がわかるかもしれない
あたしは意を決して
トンネルへと足を踏み入れた