第10章 ミミズクの巣と妖怪の笑み
怪しく微笑む赤髪のお兄さんに睨まれてあたしは少し緊張した
何か企んでいそうな目つきに怪しく弧を描く口もt・・・
『うっ…』
また急に吐き気が襲ってきてあたしは思わずその場にうずくまった
まだこらえきれたけど、次来たらやばいかも・・・
「あれ~大丈夫?」
『うぅ…大丈…ぅ!!!』
「ほらぁ~、大丈夫じゃないでしょ~」
うずくまっているあたしの背中を擦っていくれた
「お水とか飲んだ~?」
『はぁ…今一緒に来た人が…』
「あぁ、青城の前髪分け君ね。ブルーのドレス似合ってたね~」
『はい…あたしなんかより…!?』
あれ・・・あたし、国見さんのこと何にも言ってないのに・・・
なんでわかったの、この人
『あの…あたし、もう行きますね』
「でもフラフラだよぉ?何なら俺部屋借りてるから部屋行く?」
『い…行かないで…す』
この人はダメだと思ったからあたしは国見さんを探しに行こうとしたけど、強いお酒を飲んでしまって身体がもう言うこと聞いてくれなかった
足元もフワフワしてるし目もぐるぐるしてるし・・・
「ほら~、あぶないよ」
と、足元がおぼつかないあたしを身体で受け止めた赤髪のお兄さん
・・・あれ、この香り
お兄さんから漂ってきた香水の香りは、どこかで嗅いだ覚えがあった
・・・そうだ、お酒くれたボーイさんと同じだ!!
『あっ…あの!!』
あたしは、フラフラの意識の中で力ずくでお兄さんの胸を押した
でもお兄さんはそれを分かっていたようにあたしの腕を引いて自身の方に引く
「ん~?どしたの?」
『あっ…あたし…!!』
「何してるんですか?」