第10章 ミミズクの巣と妖怪の笑み
「ぼっく~ん」
「おっ、及川!!やっと来たか!!」
及川さんに着いてきたら、白いスーツを着てなんともすごい髪型をしているお兄さんがいた
周りにはこれまた綺麗なお姉様方
「そゆわけだ、またな」
お姉さん達から離れたお兄さんは、足早に及川さんの前に立った
「木兎社長、この度はご招待感謝いたします」
「おいおい、俺達の間に敬語はなしだろ?ってかお前その子超やべえじゃん!!俺知らない子だけど、どこの子?」
「この子はうちの目玉。俺が見込んだんだから可愛いのは当然だよ」
へぇ~って言いながらあたしの顔を覗き見る
その人もすごいかっこいいけど、及川さんとは違って熱いって感じの人・・・かな?
「へぇ~、俺が先に見つけてれば絶対売れたよ~。なぁなぁ、今からでもいいから俺の事務所入んなよ!!絶対売れるから!!」
『えっ…でもあたし全然…』
「木兎さん、こんなところで遊んでないで行きますよ」
あたしの手を握って俺の事務所入ってという木兎さんの後ろから聞こえてきたのは優しそうな声
でも、なんだかその人・・・怖い
「だって赤葦~、この子見てよめっちゃ可愛い!!」
「…そうですね、でもキリュウの会長様がお待ちしています。急いでください」
「えぇー、キリュウなんかと話すよりこの子と話す~」
「ダメです。行きますよ」
と、あかあしと呼ばれたそのお兄さんは木兎さんに背を向けて行ってしまった
木兎さんは大きくため息をついて、ジャケットの胸ポケットの中から1枚紙を取り出した
「それ、俺の名刺。裏にアドレス載ってっから事務所入りたくなったらメールして!!」
と言って走って行ってしまった
もらった名刺に目をやると、なんと派手なことか・・・
ホントに金色の名刺使う人いるんだ・・・
それであたしは、この夢のような空間に入って初めて頬が緩んだ